日銀の量的緩和に関して日銀は、政策委員会・金融政策決定会合を開き、量的緩和政策の目安である日銀当座 預金の残高目標(30兆~35兆円)について、一時的に目標の下限(30兆円)を割り込む ことを容認する方針を賛成多数で決めた。残高目標そのものは維持するが、量的緩和 政策の転換点になる可能性もある。これまでは、市場に潤沢な資金を供給し、残高 目標を毎日達成するようにしてきたが、「資金需要が極めて弱いと判断される場合には、 目標を下回ることがありうる」として、一時的に目標を下回ることは容認することにした。 金融システム不安の後退などで金融機関の資金需要が減り、日銀が金融機関に資金 供給しようとしても予定額に達しない事態が頻発していることに対応するもので、日銀は 「資金調節上の技術的な対応で、量的緩和政策の枠組みを変えるものではない」と説明。 しかし、「量的緩和政策の解除に向けた地ならし」との観測も出ており、長期金利などの 動向に微妙な影響を与える可能性もある。今回の会合では、一時的な目標割れ容認 とは別に、残高目標そのものを引下げることの是非も議論された。しかし、委員の間では、 景気が「踊り場」を脱し切れず、デフレ克服が展望できない現状で、残高目標引下げに 踏み出すことに慎重な意見も根強く、大勢にはならなかった。 ジャンル別一覧
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